純水器なしでも自作の純水は作れる?対応方法まとめ
「純水器を家庭で作ることはできるの?」
「水道水に含まれる不純物はどうすれば取り除けるの?」
近年では美容や健康に対して意識が高い方が多いこともあり「純水を自作したい」というお問い合わせもしばしばいただくようになりました。
結論からいえば、純水器で作るような純水を自作するのは不可能なのですが、それでも「洗車にぴったりの水はつくれないの?」「純水器の調子が悪いから応急処置だけでも・・・」など、少しでも純水の代わりになるようなものが作ればメリットがあるといえるでしょう。
この記事では、
- 純水を自作できるのか否か?
- 純水を利用するには、どのような手段があるのか?
について詳しく解説します。
純水とは?水道水に含まれる不純物を解説
純水を作る前に、純水とは何かについて解説します。
そもそも、純水がどのような水なのかを理解しないことには、作りようがないからです。
純水と水道水との違い
純水とは、ろ過やイオン交換などの方法により水道水から不純物を取り除いた水のことです。
水道水は、安全においしく飲んだり生活用水として使用したりできるように、基準値がかなり厳密に設定されています。
例えば、人体にとって有害となりうる化学物質や細菌など51項目が基準値内でなければ、水道水として使用できないということです。
また、細菌の殺菌や水の保存性を高めるために、一般的には「カルキ」と呼ばれている塩素系の消毒剤が規定量以上加えられています。
水道水は、おいしく安全に飲めることを目的として作られていますが、使い道によっては水道水に元々含まれている不純物や、消毒剤などが悪い影響を与えてしまうことがあります。
水道水に含まれる不純物とは
カルキの臭いを除けば、飲んだり生活用水として使用したりしても、水道水に含まれる不純物を強く意識する場面はそれほど多くないのではないでしょうか?
しかし、水道水には、次のような不純物が含まれています。
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- カルシウムやマグネシウムなどのミネラル
ミネラルは、水道水の原水である河川の水や地下水に元々含まれている成分です。
ミネラルは、水のおいしさにつながる素材でもあります。また、カルシウムやマグネシウムの含有量の多い「硬水」が、健康に良い水として親しまれるなど、飲み方によってはどれも嬉しい作用をもたらしてくれるため、一概に悪いものとは言えません。
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- 細菌
細菌も、ミネラルと同様に水道水の原水に含まれています。
細菌の中には、人体に悪い影響を及ぼさない一般細菌と、腹痛や吐き気などの食中毒の原因となる細菌があります。
一般細菌も食中毒の原因となる細菌も、基準値以下になるように水質が厳しく管理されています。
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- 塩素系消毒剤(カルキなど)
水質を一定に保つために、塩素系消毒剤が加えられています。
塩素系消毒剤の主な役割は二つあります。
一つ目は、水道水に含まれる細菌を殺すことです。大半の細菌は、塩素系消毒剤に弱いため、塩素系消毒剤の効果がてきめんです。
ただし、塩素系消毒剤そのものに、少し嫌な味・においがあることと、大量に摂取してしまうと健康に良くないことが分かっています。
水道水よりも純水が望ましい場面
水道水に含まれる不純物により、水道水よりも純水を使った方がよい場面がいくつかあるので、具体的な場面をいくつか紹介します。
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- CPAP(睡眠時無呼吸症候群の治療に用いる機器)や人工呼吸器
水道水を使用した場合、カルシウムなどの成分が機器のチューブ内で目詰まりを起こしてしまい、故障させてしまう原因になってしまいます。
これらの機器が故障してしまうと、健康面でも非常に危険です。
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- 美顔器やアロマディフューザーに使用する水
人工呼吸器同様、チューブ内での目詰まりの原因になってしまいます。また、エステサロンや美容サロンでは、肌への負担を軽くする点でも、純水が高く評価されています。
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- 洗車用の水
水道水の場合、水を流した後に乾拭きをしないと、カルシウムや塩素系消毒剤などが水垢として跡になってしまいます。そして、水垢がウォーターデポジットとして、車体のへこみやゆがみの原因にもなってしまいます。
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- 塗料や薬品の希釈用水
塗料や薬品を作るために希釈用として水道水を使用すると、薬品と水道水に含まれる不純物の成分が化学反応してしまい、成分にばらつきが生じてしまうことがあります。
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- 手作り化粧品や消毒液の希釈用水として
純水で保湿成分を希釈したり、アルコール(無水エタノール)を希釈したりして、手作りの化粧品や消毒液を作ることができます。
水道水を使用すると、不純物によって肌への負担が心配されたり、品質に悪影響が生じたりする危険性が考えられます。
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- 自動車のバッテリーの希釈用水として
自動車のバッテリー液の希釈用水としても純水が使用されます。水道水は、ナトリウムやカルシウムなどのミネラル成分がバッテリー液の硫酸と化学反応を起こしてしまうことがあるため、純水が望ましいといえるでしょう。
純水器が不純物を取り除く仕組み
冒頭にお伝えしたように、自作で水道水から純水を作ることはできません。
しかし、純水を自作するためには、純水器がどのように不純物を取り除いているのかについて知ることができれば、純水を作る際のヒントになるかもしれません。
この章では、純水器がどのように不純物を除去しているのかについて解説します。
仕組み①ろ過
一つ目の不純物を除去する方法は「ろ過」です。
きめの細かなフィルターを通すことで細菌や細かな粒子を除去します。
フィルターで不純物を除去する方法は、コーヒーフィルターやエアコンなどの身近な機器にも使用されているので比較的イメージしやすいのではないでしょうか?
ただし、水道水に含まれる不純物は非常に粒子が細かいため、かなりきめの細かなフィルターが必要です。
市販されているコーヒーフィルターのように手軽に手に入るものではないため、ろ過による不純物除去をするには専用の機器が必要であることがわかります。
仕組み②イオン交換
二つ目の不純物を除去する方法は「イオン交換」です。
イオン交換は、イオン交換樹脂という物質を使って不純物除去を行います。
イオン交換樹脂は、水道水の不純物と化学反応をすることで樹脂の中に不純物を取り込む方法です。
イオン交換樹脂も普段身近にはないと思いますので、自作で純水を作成するのは難しいといえます。
自作の方法で不純物を全て除去する方法はない
上記の二つの作業は純水器がなければ気軽にできないため、自作で水道水から純水を作るのは難しいといえます。
従って、純水を自作することが難しいという観点にたったうえで、純水をどのように用意するのかという考え方に立つことがまず求められます。
部分的に物質を除去することは可能なのか?
純水器から作ったようなきれいな純水を自作することはできなくても、不要な成分だけを取り除くことはできないのでしょうか?
例えば、洗車用水として浄水器を使用する際、主に問題の要因になるのは水垢の成分であるカルシウムなどのミネラル成分です。
つまり、ミネラル成分だけでも除去できれば、純水器が自作できなくてもほとんど問題ないということになります。
結論からいえば、塩素系消毒剤については除去する方法がありますが、ミネラルや細菌をきれいに除去する方法はありません。
塩素系消毒剤の除去方法
健康や美容の観点から、近年ではあまり望ましくないとされている塩素系消毒剤(カルキ)。
塩素系消毒剤だけを除去するということであれば、いくつか方法があります。
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- 浄水器を使用する
商品にもよりますが、浄水器を通すと塩素系消毒剤(カルキ)を除去することができます。
主に、飲用水や調理用の水道蛇口に浄水器を取り付けられているご家庭が多いと思います。
その他、カビや有害物質など、水道水をよりおいしく安全に飲むために不要な物質を浄水器は除去します。
→ただし、浄水器は対象としている物質のみを取り除く機器であるため、ミネラル成分や対象外の細菌などは除去できません。
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- 直射日光にあてて時間を置く
水道水を直射日光にあてて時間を置くと、塩素系消毒剤が分解され、除去できます。
何時間ほどで塩素系消毒剤が除去できるのかは、条件によって異なりますが日光が当たる箇所なら半日程度で十分に除去できます。
→塩素系消毒剤が除去されると、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
さらに、直射日光があたると細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
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- 10分以上煮沸する
塩素系消毒剤は10分以上の煮沸でも除去できます。
煮沸による除去についても、ミネラルや一部の細菌は除去できません。
→全ての方法に共通して言えることは、塩素系消毒剤を除去することはできるものの、それ以外の不純物の除去はできないということです。
また、塩素系消毒剤除去により、最近が繁殖しやすくなってしまうということです。
ミネラル成分の除去方法
ミネラル成分をきれいに除去する方法については、基本的にはありません。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは熱に強いため、加熱をしても除去されません。
純水器であれば、フィルターによるろ過やイオン交換などによりミネラルをろ過できますが、純水器以外の方法でミネラルをろ過するのは基本的に難しいものです。
カルシウムやマグネシウムの少ない水は「軟水」と呼ばれているので、軟水のミネラルウォーターを選ぶことで若干水垢の原因となる成分の分量が少ないものを選ぶことはできますが、純水のように水垢が生じにくい水というわけではありません。
細菌の除去方法
細菌についても、煮沸をすることである程度減らすことはできますが、沸騰しても死滅しない細菌もいるため0になるわけではありません。
浄水器を通す場合でも、細かな細菌は除去できないと考えるべきです。
純水が必要なら純水器か純水そのものが必要
ご家庭で純水が必要なとき、これまでに紹介した通り、自作で製造する方法はないといっていいでしょう。
従って、純水が必要なときには、純水器もしくは純水の購入が不可欠です。
ここで、考えられる懸念事項とそれぞれの解決策について考えていきましょう。
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- 価格面
純水器の本体価格や純水の単価が高く、継続して購入することが難しい
→単価の安い純水器や純水を購入する
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- 手間の面
使用するたびに純水を購入するのは非常に手間がかかる
→まとめ買いをする、通信販売を利用する
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- 緊急時の対応の面
純水器の故障や純水の在庫切れなどの場合は、即時納品してもらえる店舗・業者にて購入する
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まとめ
結論としては、純水器や純水を自作することはできません。
純水を作るためには、水道水から塩素系消毒剤・ミネラル・細菌などの不純物をきれいに除去しなければならず、特にミネラルや細菌などの除去は非常に難しいことだからです。
純水の代用として用いられるような水は基本的にはないため、取れる対策は以下の通りです。
- 純水(精製水)を購入する
- 純水器を購入する(使用中のものが故障した場合には、修理で対応可能なケースも)
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